STX-2520は、最新の超高速OpAmpと新開発アナログパルス処理回路により、高計数率と高分解能を両立した高性能アンプです。SDDX線検出器本来の高計数率と高分解能をフルに発揮する事が可能になります。
分解能の改善の比較の、ほんの一例ですがこれだけの差が出てきます。
X線検出器は、高計数率にはアンプの時定数を短く、高分解能には時定数を長く設定する必要が有り、
高計数と高分解能を同時に実現する事は通常は難しくPeaking
Timeが10usecで135evの分解能の検出器でも、
1usecでは190ev程と急激に分解能が劣化してしまいます。低エネルギーの場合はさらに長いPeaking
Timeが
必要な事は当然であると認識されています。これらはデジタルMCAとパルスリセットに未対応の
古いアナログアンプでの話です。分解能の劣化は、デジタル回路のノイズや10mV程度の出力信号に対し、
2V〜10Vのパルスリセットの処理が適切に処理されて無い場合は、避けることは出来ません。
・・・が、本製品は
Peaking Time 0.55usecで、129eVの分解能をマークしています。下記のスペクトルは、
デジタルMCAでの分解能が132eV(Peaking
Time 8usec)SDD検出器にSTX2520を使用した例です。
▲
Peaking
Time 0.55usec(0.25x2.2)で、Fe-55(Mn-Ka)
FWHM 129eV
▲
Peaking
Time 1.1usec(0.5x2.2)で、Fe-55(Mn-Ka)
FWHM 125eV
▲Peaking Time 2.2usec(1.0x2.2) で、Fe-55(Mn-Ka)
FWHM 120eV
なお、旧来の
デジタルMCAでの分解能はPeaking
Time 2usecで145eVでした。
この検出器の最適なPeaking
Time はFWHMの値だけを見ると2.2usecの長い方が良い様に見えます。
が、実際はPeaking
Time 1.1usecが最適な時定数となっております。
Mn-Kaは、Ka1(100%)
5.899とKa2
5.888(50%)2本のピークが重複しています。11eVの差が有りますが、
スペクトル上では約1chになります。相対強度50%ですので、ピークの低い方に段が出来ています。
アナログアンプとアナログMCAの組合せならば、低エネルギーから高エネルギーまで速いPeaking
Timeでも
分解能は変わりません。広いダイナミックレンジを持っていますので、蛍光X線分析器に使用した場合に
デジタルMCAで問題となるサムピークは、殆ど無視出来るほど小さくなります。
▲Fe-55のX線でアルミニウムの蛍光X線を検出した例
このアルミニウムの検出というのは、旧来のデジタルMCAでは難しい事であり、
贔屓目に言わずとも本製品の性能を示す快挙と言えるでしょう。
税別定価:¥500,000
仕様 |
FRONT PANEL
INPUT ・・・・・・ BNCコネクタ
入力電圧+/-5V(-5Vから+5Vランプ信号幅10V)パルスリセット対応
入力インピーダンス 1KΩ
POS/NEG ・・・・・入力信号極性切替SW
ATT(COARSE) ・・・入力電圧アッテネータSW10段階
ATT(FINE)・・・・・入力電圧アッテネータSW10段階
SHAPING・・・・・・shaping time 切替SW表示は1,2,3,4
注文時 0.25u, 0.5u, 1.0u, 2.0u, 4.0u, 8.0u から4個選択可能
OUTPUT・・・・・・BNCコネクタ
出力電圧 0〜+5V
出力インピーダンス 50Ω
電源SW・・・・・・トグルスイッチ
LED表示・・・・・・電源ON時点灯
REAR PANEL
電源入力・・・・・・6V1A ACアダプタ
ZERO調整・・・・・OUTPUT 信号 ZERO 調整 半固定 VR
ICR・・・・・・・・BNCコネクタ INPUT カウントレイト TTLレベル
INHIBIT ・・・・・ BNCコネクタ パイルアップリジェクト TTLレベル
RESET ・・・・・・ BNCコネクタ パルスリセット TTLレベル
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